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クロツバメの浮き雲ライフ

保護猫のこと、時々趣味を綴ります。

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野良猫に餌を与えている方に知ってほしいこと

拝見したあるブログで積極的に野良猫に対し餌を与えている方の記事を見ました。同じ猫好きでも住んでいる地域や考え方によって、こうも猫に対する接し方が違うものかと驚きを隠すことができませんでした。

 

 

その方のブログは野良猫にそれぞれ名前をつけ、日々の食事を与えている光景を写真に撮って記事にするというものです。猫たちはかわいく、またかわいく見える上手な写真の撮り方をしていて多くの読者のいるブログでした。

 

 

 

ただ、ひとつ気になったことがありました。

 

どの猫もTNRのしるしである『さくら耳』になってはいないのでした。

 

 

この記事は野良猫に日常的に餌を与えている方に知っていただきたいことを箇条書きにしたものです。そして猫が直面している諸問題について、もっと知りたいという方のための記事でもあります。

 

 

※TNRとは『捕獲し、中性化し(不妊・去勢手術を施し)、もといた場所に放す』の意味です。

 

※さくら耳とは『不妊・去勢手術を受けたしるし』で、耳先をカットしてある状態のことです。

 

 

もくじ

 

 

猫の来歴

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猫はもともと野生でしか生息していなかった動物です。それを人間が【愛玩用】【使役用】に改良した【伴侶動物】です。ペットとして共に暮らすためであったり、ネズミなどの害獣から食料を守るなどの目的で野生動物から【野生】を取り去ったという過去は意外と知られていないものです。

 

伴侶動物とは - Weblio辞書

 

そして害獣対策として猫は街ぐるみで飼う動物という認識が広く定着していました。屋外で交尾をするなどして産まれてしまった仔猫はご近所さんに譲ったり、段ボール箱に入れて「どなたかもらってください」と書いて遺棄すれば貰い手が見つかるような平和な時代があったことは事実です。

 

 

ですが、今はどうでしょうか

 

 

「子猫が産まれたので1匹いかがですか?」と言える隣人が果たして何人いるでしょうか。段ボールに入れられた猫がカラスの餌食になったり、変質者の慰み者になったりという話を耳にしたことはないでしょうか。食うに困らぬ数のネズミはまだどこかにいるでしょうか。

 

誰にも拾ってもらえずそれでも何とか生き抜いた猫が【野良猫】として成長します。

 

しかし路上で生きることができた猫の多くが交通事故や冬の寒さなどの過酷な環境での生活に耐えきれず亡くなっているのが現実です。

 

たとえ生き延びたとしても近隣の住民による糞尿被害や騒音を訴えたクレームにより保健所に収容され『期限付きの命』を狭い檻のなかで終える猫は少なくありません。それが猫にとってどれほど悲しいことか想像してみてください。猫が好きなのであれば想像に難くないはずです。

 

 

野良猫を守るために最も重要なもののひとつにTNR活動があります。上でお話しした【かわいそうな命】を増やさないことを趣旨とした活動であることを前提としてお話ししていきます。

 

 

TNR活動とは

最近耳にすることも多くなったと思われる【TNR活動】という言葉の意味を解説します。

 

TRAP(トラップ)

捕獲する

 

NEUTER(ニューター)

中性化する(不妊・去勢手術を施す)

 

RETURN(リターン)

元いた場所に放つ

 

野良猫の増殖を防ぐことを目的として行われる活動です。それは保護団体が主体で行うこともあれば、地方自治体が貸し出ししている捕獲器を使って個人が行う場合などさまざまです。

 

捕獲した猫は動物病院で不妊・去勢手術を施され、そのしるしとして耳の先をカットされ『さくら猫』となります。市区町村によっては野良猫の不妊・去勢手術に対して助成金が援助されるところもあります。

 

この※『さくら猫』であることによって「これ以上増えない、人間に迷惑をかけない」ことの証明ができ、保健所による捕獲の対象から外れます。※カットした耳の形がさくらの花びらに見えることから命名

 

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残念なことにTNR活動が行き届いている地域は多くなく、行政による支援、保護団体やボランティア登録を受けた個人活動家の数も十分とはいえないのが現状です。

 

 

不妊・去勢手術にメリットはあるのか

不妊・去勢手術にはいくつかメリットがあります。野良猫と飼い猫に分けてメリットを挙げてみたいと思います。

 

野良猫の場合

・野良猫の数が増えない

・泌尿器系の病気リスクの軽減

・発情しなくなるため大きな声を上げ縄張り争いの喧嘩をしなくなる

 →けがも少なくなり長生きが可能になる

・おしっこの臭いが軽減される

 →近隣住民とのトラブルの原因を軽減できる

 

 

飼い猫の場合

・泌尿器系の病気リスクの軽減

 →健康で長生きできる可能性が高くなる

・発情しなくなるためマーキングのためのスプレー行為を減らせる(なくなるケースも)

・ツンとするおしっこの臭いがなくなる

 

 

 

不妊・去勢手術を受けた猫のその後

不妊・去勢手術を受けた野良猫は『さくら猫』となります。

 

 仔猫や、以前飼育されていたことがあるなどの理由で人に慣れている猫はリリースされることなく保護団体や預かりボランティア※の元にとどまり新しい飼い主(里親)を探すことになります。そして終生飼育を約束され、新しい家族の元で『一代限りの命を全うする』こととなるのです。

 

※預かりボランティアとは保護された猫を預かり里親が見つかるまでの間のお世話をするボランティア活動家のことです。

 

残念ながら人による飼育を受け付けない猫は『地域猫』としてリリースされ、【地域猫ボランティア】の手で管理され『一代限りの命を全うする』ことになります。

 

 

地域猫ボランティアとは

文字どおり『地域猫のお世話をするボランティア』です。市区町村の自治体ごとに開催される『地域猫ボランティア講習』を受講することでなることができます。

 

ほとんどの場合、無料で受講することができ2時間程度の講習を経て地域猫ボランティアとして活動することができるようになります。

 

おもな活動内容としては

・地域猫への餌やり

・地域猫の生活環境の保全(清掃など)

・近隣住民への理解と周知

・野良猫へのTNR

・飼い猫の遺棄を未然に防ぐパトロール

 などが挙げられます。

 

詳しくは体験記事があるので興味のある方は参照してください。

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野良猫に餌を与えてはいけない理由

TNRは猫の生殖機能を取り去ることだとお話ししました。生殖機能を奪うことに対して嫌悪感を抱く人がいまだに多いこともあり、倫理的な議論は継続して深めていかなくてはいけません。そういった部分も含め人と猫との関係は分岐点を迎えています。

 

お腹を空かせている猫にご飯をあげて何が悪い。そんな声が聞こえてきそうな気がしますが、無責任な餌やりは不幸な命を増やすのみです。

 

そもそも体の大きくない猫にとって出産は命がけで、文字どおり【命をすり減らせて】子供を産みます。仔猫を出産した後も母乳を与えるためにたくさんの栄養を必要としますし、仔猫を守るために外敵と戦ったり昼夜を問わず移動を繰り返さなくてはならなかったりと我々が想像するよりも猫の出産と育児は大変なことなのです。

 

それを可能にするのが人による『餌やり』です。豊富な栄養を得ると野良猫は繁殖行動を始めます。増えてしまった猫は糞尿被害の原因になったり、縄張り争いや発情による喧嘩の騒音被害を訴える近隣住民にとって厄介者になってしまいます。追い払うためにいじめられたり、保健所に通報されてしまえば捕獲され最悪の場合殺処分になってしまうこともあるのです。

 

ありがたいことに昨今は猫を保護する団体が増えてきたこと、保護された猫の飼い主になる人が増えてきたことなどの理由から猫の殺処分は減少傾向にあります。

 

しかし注目すべきは殺処分の数字だけではなく、その他の猫の死因にあります。外猫の死因で1番多いのは殺処分をはるかに超える数の『交通事故死』です。それも清掃局の職員がカウントできたものに限られます。実際には出ている数値よりも多いと言われています。

 

野良猫への無責任な餌やりは不幸な最後を迎える猫を増やすだけなのです。 

 

 

猫の繁殖能力について

【増える】とお話ししましたが具体的な数字がないとピンと来ない方もいると思いますので、猫の繁殖能力について書かせていただきます。

 

雄雌2匹の猫がいたとしましょう。

 

この2匹3年後には2000匹にまで増えるなんて想像ができるでしょうか。猫は生まれて6カ月くらいすると出産が可能になるとされ、1回の出産でで5~8匹を、さらに年に3~4回も出産をすることができます。

 

実際はカラスなどの外敵や食糧不足により自然淘汰されてしまうので、ここまでの数に爆発的に増えることはまれですが理論上は可能です。

 

野良猫のすべてが上に挙げた回数の出産をするわけではありませんが、豊富な餌により栄養状態がよくなったらどうでしょうか。その高い繁殖能力を思う存分発揮してみるみるうちに数を増やしていくことでしょう。

 

余談ですが、猫の交尾による妊娠確率は100%で、しかも複数匹の雄の子供を同時に身ごもることが可能です。

 

野良猫のコミュニティが巨大になればそのぶん高確率で雌の猫は発情の度に妊娠させられ、命をすり減らすようにして仔猫を産み続けることとなります。

 

・単純計算すると2匹の猫が3年後に2000匹にまで増える

・雌の猫は約6ヶ月齢から出産が可能に

・年3~4回、1回で5~8匹の出産が可能

 

 

 

増えすぎた猫の行く末

そうして母猫の命を吸い取りながら外敵の目をなんとか逃れて大きくなった猫が、交通事故であっけなくその生涯を終える想像をしてみてください。あるいは捕獲され保健所の狭い檻の中で生涯を終える姿を想像してみてください。

 

「猫がかわいそうだから」「すり寄ってきてかわいいから」などの理由で餌を与えてはいけません。結果がどうなるのかを知る必要があるのです。

 

 

 お腹をすかせている猫を放っておけない

僕も無類の猫好きなので、目の前にお腹をすかせている猫がいたらなんとかしてあげたい!と思います。それが【やさしさ】や【人情】というものでしょう。

 

その【やさしさ】や【人情】そのものは否定しません。猫が好きで何とかしてあげたいと思ってくれる方が一人でも多くなってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。

 

ただ、『何が猫のためになり、ためにならないのか』を考えずに、やみくもに餌を与えることだけはしないで欲しいと切に願います。また、独りよがりの自己承認欲求を満たすための餌やり(なついてほしい、甘えてほしい、善いことをした)であってはならないとも考えています。

 

野良猫が増えると近隣住民とのトラブルに発展しかねないとお話ししましたが、それなら『野良猫』に『地域猫』もしくは『飼い猫』になってもらうという方法が最善であると考えています。そしてあなた自身も(近隣住民の目から見て)『迷惑な餌やり』から『地域猫ボランティア』になることができるのです。

 

不妊・去勢手術するお金がない」というのであれば自治体に掛け合ってみてください。すべてではないにせよ助成金が援助されるところも増えてきています。

 

捕獲しても動物病院に連れて行く手段(車など)がない」というのであれば、近くに猫の保護団体がないか探してみてください。きっと力になってくれるはずです。それだけでも十分に立派な『猫の保護活動』となります。

 

 

増える異常者

悲しいことに日々のストレスやうっぷんを猫にぶつける異常者が増えています。彼らはSNSやブログなどから野良猫の情報を入手すると出かけていって餌を与えるふりをして捕獲します。その後はなぶるように残酷な目にあわせたり、あっさり殺してしまったりします。なかには飼育している大型のは虫類や猛禽類の餌にするために野良猫を捕獲するという人間までいます。

 

記録する意味で写真を撮影するのは構いませんが、SNSやブログで公開することは猫にとって【危険をはらんでいる】ということを頭の片隅にとどめておいていただきたいと思います。

 

その1枚の写真がきっかけとなって、かわいがっていた猫が姿を消してしまうことにもなりかねないからです。 

 

 

おわりに

僕自身が2匹の保護猫と、保護した野良猫1匹とともに暮らす飼い主でもあります。一人一人の力は小さくとも、多くの人が【猫を守る活動】に積極的に参加するようになれば変え難い現実も変えていくことができると信じています。また、そのようにしてしか現実を打破していくことはできないという想いから、微力ながらもブログを通じて情報を発信しています。

 

地球全体から見れば『野良猫問題』は優先順位の決して高いものではないかもしれません。しかし『弱いものをないがしろにしない』ということが、本当の意味での【こころの豊かさ】の実現には必要不可欠なものに思えてならないのです。

 

  

 

よく読まれている記事です

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ブログコラム【文章とは】

バタバタとした日々を過ごしているうちにブログの更新がおろそかになってしまいました。11月は10日に1回、記事の更新という体たらくぶりです。

 

忙しさもさることながら、ブログ運営について考えさせられる出来事もあり、モチベーションがあがらなかったというのも原因の1つです。

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書きたいこと、伝えたいことがある一方で「この書き方だと読んだ人に間違った解釈を与えはしないか」とか「決めつけっぽい文章になっていないか」とかを考えてしまい、書いては消し書いては消しをしているうちに仕事が忙しくなり…といった具合です。

 

「完璧な文章など存在しない」というのは敬愛する小説家、村上春樹氏のデビュー作『風の歌を聴け』の冒頭の一節であったように記憶しています。とても素敵な書き出しです。

 

ということで今回は『文章』について思っていることを吐露したいと思います。猫ブログとして訪れてくださった方には退屈な内容です。断言。

 

 

もくじ

 

文章とは

SNSが浸透した現代で、(多くの方にとって)文章をメインのコンテンツとしている【ブログ】が すたれないのは何故なのでしょうか。

 

個人的にそれは情報量の多さと、遅効性にあると思います。ボクシングにたとえるとそれはまるで「ボディブロー」のように重くじわじわと有効打になっていきます。読む人と書き手が文章を通じて時間と空間を共有することで、認識の一致・不一致や考え方の相違が生まれます。読みながら「何言ってんだこいつ」とか「そんな考えもあるのか」などと考えさせる力が文章にはあると思います。

 

 

逆にSNSはタイムリーなリアクションが得やすく拡散していきやすい反面、短い文はボクシングにたとえるとジャブ(攻撃の起点になる初手で威嚇やけん制、距離感をはかる役割も)のようなもので相手をノックダウンさせるほどの有効打にはなりにくいと勝手に考えています。意にそぐわなければスルーされ、ひとたびタイムラインの彼方に押しやられてしまえば人目に触れることはほとんどなくなります。

 

 

ゆえに自らの人となりを知ってもらう目的や、発信したいことを書き残すツールとしてブログが効力を発揮するのだろうと思います。

 

一言で言うと「なんだかやけに残る」ってことでしょう。

 

誰のための文章なのか

①対象を定めて書いた文章

②知ってほしいことを記録する文章

③文章の練習としての文章

④書きながら思考する自分のための文章

 

僕の場合はこの4つに当てはまります。今回は③④ですね。断言。

 

 

さておき

 

伝えたい想いに熱量を込めて記事にする時に意識している言葉があります。

 

「小説家の役割は時代や社会の病みをともに病むことだ」

 

これも村上春樹氏がどこかで書いていたことです。正確な文章は忘れてしまいましたがこのようなニュアンスでした。

 

僕のブログ運営と一流作家の創作を比較するなどおこがましいことではありますが、質はどうあれ文章を書いている人種であることに変わりはありません。

 

僕の場合は現代において【猫】が抱えている諸問題に触れ、見聞きするうちに解決に向けて(及ばずながらも、微力ながらも)行動することはとても重要で意味のあることだという結論に達しました。これが僕にとっての『病み』です。

 

 

おわりに

最後までおつきあいいただきありがとうございました。読んでくださったどなたかの参考になる部分があったとしたら嬉しいです。

 

 

お口直しにいかがですか?

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自分にとってボディブローとなった記事です

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猫を保護したいと思ったら

突然ですがあなたの身の回りに保護する必要のある、野良猫もしくは地域猫はいないでしょうか。今回はそういった猫がいるという方に向けての記事です。

 

このブログでは野良猫のことや地域猫のことを記事にしています。カテゴリー『猫のこと』『猫の保護活動』『猫に関する知恵袋』にそれぞれ記事が入っていますので、猫のことをもっと知りたいという方は一度のぞいてみてください。

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もくじ

 

野良猫と地域猫って?

屋外に暮らす猫には『野良猫』と『地域猫』の2種類がいます。『地域猫』という呼び方になじみのない方もいると思うので、簡単にご説明します。

 

野良猫とは:屋外に暮らし、特定の飼い主を持たない猫のことです

 

何らかの事情で捨てられてしまったり、飼い猫が脱走してしまったりという理由で野良猫になります。屋外の過酷な環境により寿命はおおむね2~3年で10年生きたら奇跡といわれるほど飼い猫に比べ短命です。猫は繁殖能力が高く2匹の雄雌が2年後には2000匹にまで増えるという計算式もあるほど。死因で1番多いのは「交通事故」次いで「保健所による殺処分」となります。

 

 

地域猫とは:地域猫ボランティアにより管理され、屋外に暮らす猫のことです。

 

地域猫は元『野良猫』です。捕獲され不妊・去勢手術を受けていて、施術済みの目印として耳の先をカットされます。しるしの有無を見て地域猫なのかを判断することができます。そしてそのカットされた耳が「もうこれ以上増えない」ことの証明になり、保健所の捕獲対象から外れます。

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「むりやり手術を受けさせるなんてかわいそう」と思う方もいるかもしれません。しかし不妊・去勢手術を受けることで危険を伴う出産と子育てから解放され、発情もしなくなるため縄張り争いなどによる消耗がなくなり、野良猫に比べ長生きできる猫が多いのです。

 

日々のえさもボランティアによって与えられ、屋外で『1代限りの命を全うする』ことができるようになるのです。

 

野良猫と地域猫の言葉の意味が分かったところで、保護が必要かどうかについてご説明します。

 

保護しなければいけないの?

特定の飼い主がいないからといってどんな猫でも保護していいという訳ではありません。保護が必要なケースはいくつかありますので、項目ごとに簡単に説明していきます。

 

耳先がカットされておらず、野良猫であることがはっきりしている

なかには飼い猫を屋外に自由に出入りさせている飼い主もいるため、耳のカットだけを基準に判断するのは少し待ってください。首輪をしているか、毛並みや目つきなどをよく観察して野良猫であることがはっきりしたら保護の準備を始めましょう。

 

・野良猫だからといって、すぐに捕獲すべきとは限らない!

・誰かの飼い猫ではないか注意深く観察しよう!

 

耳先にしるしがあっても普段見かけない猫は要観察

猫の行動範囲は半径およそ1kmともいわれています。普段見かけない猫がいた場合は様子を観察してあげてください。その場所に対して土地勘がなくおどおどしているようなら、行動範囲を超えて見知らぬ土地に来てしまった『迷い猫』の可能性があり、また『脱走』や『遺棄』の可能性もゼロではありません。この場合、地域猫ボランティアに認知されていない可能性が高く、やせ細って健康を害しているようなら保護も検討しなくてはなりません。それと同時に『迷い猫情報サイト』にその猫が登録されていないかのチェックもするようにしましょう。

 

・耳カットがされていても迷い猫、脱走、遺棄の場合は注意深く観察しよう!

・数日たってもご飯をもらえていない様子なら保護も検討

・迷い猫情報サイトの確認も忘れずに!

 

怪我をしている

猫自身による治癒が見込めないほどの大きなけがをしている場合は野良猫、地域猫を問わず保護の対象となります。ただし動物病院などに連れて行き処置をしたとしてもそのあと療養が必要になる場合もあるので、猫をかくまえるスペースがない方は保護団体を探して捕獲を依頼するといいでしょう。その猫が地域猫だった場合はお世話している地域猫ボランティアさんへの周知も忘れてはいけません。

 

・治療のあと療養が必要になるケースも

・人に慣れておらず治療を受け付けるかどうかも観察が必要 

・地域猫ならお世話しているボランティアさんにも知らせよう!

・野良猫だった場合、近隣で餌やりをしている人(いる場合は)知らせよう!

 

産まれたばかりの子猫

産まれたばかりの子猫は保護の対象になります。母猫がどこにも見当たらないなら即時保護すべきですが、近くに母猫がいるようなら一緒に保護しなくてはならないため早急な行動は禁物です。

 

理由は母猫に対して不妊手術をしなくてはならないことと、子猫たちの免疫力のため母乳を与えなくてはならないためです。この『初乳』をもらえたかどうかで子猫の健康は大きく左右されることになるからです。

 

さらに保護する際に気をつけなくてはいけないのは『取り残された子猫がいないか確認すること』です。

 

母猫は1匹ずつ子猫をくわえて移動をします。子猫を発見した場所にいるのがすべての猫ではない可能性があるため、どこに移動するのかを追跡して捕獲もれのないようにしなくてはいけません。

 

・子猫を見つけた場合は母猫も一緒に保護する必要がある

・注意深く観察して全頭をもれなく保護しよう!

 

見つけた猫が保護の対象かどうかが分かったところで、捕獲の方法について見ていきましょう。 

 

 

 

捕獲の方法を決める

発見した猫が保護の対象であることが分かったら、慌てず速やかに準備をすすめましょう。

 

・捕獲方法を決める

捕獲は主に『捕獲器』を使う方法と、人に慣れていて警戒心が薄い猫の場合などは直接手で捕まえる方法とに分けられます。

 

 

用意する物

・捕獲器orキャリーケース

・厚手のゴム軍手(怪我防止のため)

・新聞紙

・トイレシート

・キャットフード

・張り紙(近隣住民への周知用、手書きでも可)

 

※『捕獲器』はお住まいの市区町村の環境政策課や近隣の保護団体に掛け合ってみるとレンタルしてくれるでしょう。

※張り紙には普段餌やりをしているボランティアさんや近隣住民への周知のため必要です。

※張り紙例

餌やりボランティアさん、近隣住民の方へ

 

○○柄の猫を保護を目的として捕獲中です。

直接の餌やりや置き餌をしないようご理解ご協力をお願いします。

 

○月○日から○月○日にかけて捕獲器を設置させていただきますのでご了承ください。

 

ご要望などがございましたらご連絡ください。

○○ ○○(090ー○○○○ー○○○○)

 

 

捕獲の手順【捕獲器を使用する場合】

・用意した張り紙などを使いボランティアさん、近隣住民の方に周知します

空腹でないと捕獲器のフードを食べに入らないので餌やりをストップしてもらう必要があるからです。

 

周知が済んだら決まった時間にご飯を与え、習慣化するのも一つの方法です。

 

・捕獲器を設置する

必要であれば近隣住民の方に許可を取り、捕獲器を設置します。誤って他の猫が入ってしまわないように設置場所には気をつけましょう。捕獲器が設置できたらあとは様子をこまめに観察しましょう。

 

・捕獲に成功したら

捕獲器は猫が足下にあるステップを踏むと、勢いよく扉が閉まる構造になっています。閉じ込められた猫は興奮状態になっている可能性がありますので、新聞紙を用意して上半分におおいをかけることで視界を塞ぎ、落ち着くのを待ちます。落ち着いたら捕獲器ごと動物病院に連れて行き検査を受けさせるのですが、捕獲された恐怖で失禁してしまう猫も多いため、捕獲器の下半分にはトイレシートを貼ってあげるとよいでしょう。

 

捕獲後のすべての作業を行う時には引っかかれたりかみつかれたりして怪我をしないようにゴム軍手を装着するのを忘れずに!

 

 

捕獲の手順【捕獲器を使用しない場合】

・用意した張り紙などを使いボランティアさん、近隣住民の方に周知します

『ご飯をくれる人』と認知して警戒心を解いてもらわなければ手で捕獲することはできません。ボランティアさんや近隣住民の方の理解が必須です。

 

毎日餌を与え警戒心を解く

焦りは禁物です。触れられそうに感じても屋外に暮らす猫は警戒心が強く少しずつ慣れてもらうことを意識するようにするとよいでしょう。

 

捕獲を決行!

警戒心が薄れ、触れてもいやがらない程度になったらキャリーケースを持参し捕獲します。もし抱き上げることができるようならそのまま慎重にキャリーケースに入れてあげましょう。自身がない場合は先に【洗濯ネット】などで包んであげるとおとなしくなる猫は多いので逃げられるリスクを減らすことができます。

 

捕まったことに驚いて失禁してしまう猫も少なくないのでキャリーケースには事前にトイレシートを敷いておくことをおすすめします。

 

さらにキャリーの中で暴れてしまうようなら新聞紙で覆いを掛け、目隠しをしてあげると落ち着く場合もあるでしょう。

 

 

動物病院に連れて行く

保護に成功したらその足でもかまいませんので、動物病院に連れて行き検査を受けさせます。猫エイズや猫白血病の検査、ノミやダニなど体内外の寄生虫駆除などをしてくれます。

 

猫の大まかな年齢や性別(分かっていなければ)なども教えてくれるので今後の飼育の参考になる情報を聞いておくことも忘れてはなりません。『不妊・去勢手術』がまだ済んでいない場合は日取りの相談をしてみるといいと思います。

 

 

さいごに

ここまで猫の捕獲の方法をご説明しましたが、あくまでも【保護】の観点から書かせていただきました。悪意を持った捕獲であれば厳罰化された動物愛護法により厳しく罰せられることをご承知置きください。

 

参考HPはこちら 

環境省_動物愛護管理法 [動物の愛護と適切な管理]

 

保護した猫の一生に責任を持てそうにないのであれば、無理して保護をせず保護団体に通報して保護を依頼するようにしましょう。それだけでも立派な猫助けになります。

 

もしも捕獲に失敗してしまうと、その猫は人間や捕獲器に対する警戒心をよりいっそう強めてしまうことにもなりかねません。『トラップシャイ』というのだそうで、一度トラップシャイになると捕獲器での保護が困難になるため【絶対に失敗しない】ことも非常に重要です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。どうか人間本意ではなく猫ファーストな行動を選択されますことをお願い申し上げます。

 

 

※自分で保護する以外にも『里親になる』という選択肢もあります。ブログのサイドバーに里親と里子(飼い主を待っている猫)のマッチングサイト【ペットのおうち】のバナーを設置しています。(スマホの方は最下部に表示)興味のある方は一度見てみてください。

 

 

著者の体験談はこちら

www.kurotsubame.com

 

 

タカさんのコメントに対するお返事【猫嫌いの方への手記】

先日、台風19号が去った直後に『地域猫パトロール』を行ったという記事を書いてブログにアップしたところ、猫が好きではない(むしろ憎んでいる)と思われる方から批判のコメントを頂戴しました。

 

唐突なコメントだったので驚きを隠せませんでした。ご存じの方も多いと思いますが、はてなブログにおいてコメントが投稿された場合、管理人は承認か非承認かを選択することができ、非承認にした場合コメントが投稿されたことを知るのは管理人と投稿者のみとなります。

 

いたずらの類いと割り切って無視することもできたのですが、猫に対する悪意が込められていたことと、誤解されている部分があるようなのでコメントに対する返事をすることを決めました。

 

当該記事上でコメントを返してもよかったのですが、その誤解を解くにはあまりに長大な文章が必要なため、あえて記事にしてアップさせていただくことをご了承ください。

 

記事を書かせていただく背景には僕が今まで『猫が嫌いな人に向けた記事を書いてこなかった』という反省の念も込められており、コメントの投稿者のみならず、猫に困っている、果ては猫が嫌いだという方の目にも留まってほしいという願いが込められています。

 

当該記事はこちら

 

 

www.kurotsubame.com

 ※本人に通知が届くことを期待してコメントにスターをつけています。「いいね」の意味合いではありませんのでご了承ください。

 

 

 タカさん、コメントありがとうございます

はじめにコメントの内容はともかく、僕の運営するブログに足を運んでいただきありがとうございます。拝見したところ猫のことがあまりお好きではないように見受けられました。それにもかかわらず猫のことばかりを記事にしている当ブログを読んでいただき、コメントという形でアクションを起こしコミット(かかわりを持つこと)しようと試みてくれたことに対して感謝いたします。

 

僕は猫が大好きなので僕の書いた文章を読むことは、猫が好きではないタカさんにとって不快だったに違いありません。それに加えて文章力も語彙力も構成だってデタラメな代物です。それにもかかわらずご意見を言っていただき嬉しく思います。

 

ただ野良猫に関して、僕のとった行動に対していくつか誤解されているようなのでこの場を借りて説明させていただきます。

 

 

コメントに対するお返事

はじめに「台風により野良猫が減り(死に)一代限りの命を全うすることに貢献している」という趣旨の発言についてです。

 

そもそも台風により命を落とすことは「命を全う」することだと言えるでしょうか。人間に置き換えて被害に遭われた方の気持ちを想像してみてください。被災し命を落とされた方を思うと気の毒で言葉にすることもはばかられますが、人生に対して悔いがないという方はだれ一人おられないでしょう。猫も同じです。

 

さらに「一代限りの命を全うする」という言い回しは、【野良猫】に対して使用するものではなく人により管理されている【地域猫】に対して使用する言葉であることを知る必要があるようです。【野良猫】と【地域猫】については後述します。

 

 

続いて「餌やりをしているようですが猫が増えるので猛省すべき」という趣旨の発言についてです。当該記事でも書いているので読んでいただければ分かることだとは思うのですが、僕が餌やりをしているのは【野良猫】ではなく【地域猫】に対してのみです。

 

僕は市区町村が実施している『地域猫ボランティア講習』を受講し許可を持っているので、やみくもに野良猫に餌やりをして回っている人を見つけたら注意・指導する立場の人間です。ですので恐れながら批判じたいが対象を誤っているということになります。

 

 

口うるさく感じられたとしたら申し訳ない気持ちですが、『猛省』という言葉は相手が(もしくは自分が)過ちを自覚している場合においてのみ有効な言葉ですので、猛省という言葉を使うのであれば僕にそれが間違った行いであることを説き伏せ自覚させる必要があります。

 

所見のタカさんの批判コメントの1文で悔い改めるような信念を掲げて地域猫ボランティア活動をしている訳ではないので残念ながら猛省どころか反省のしようがありません。タカさんはどうやら正しい批判の仕方を学ばれると、今後の人生において有益であるかもしれません。せっかく起こしたアクションがのれんに腕押しに終わり、徒労感と無力感を増長するだけというのももったいないと率直に思います。それに世の中は今回のように、真摯に受け止め回答する人間ばかりではありません。理解度が低いままアクションを起こし続けると、思いもよらぬ形で凶暴な意思を持ってタカさんに返ってくることにもなりかねないのです。

 

 

正しい批判の仕方(個人的見解)

何かを批判し、是正を求めたり考えを変えさせたいのであれば、対象をよく知ることが不可欠であると考えています。

 

たとえば野球を批判しようとしたとき「棒もって球打ってるだけのスポーツのどこが面白いんだ」と言ったとしたらどうでしょう。ひどく幼稚で的外れな批判に感じませんか?僕だったらたとえそう思っていたとしても共感なんてできません。

 

なので個人的には対象にのめり込んで(この場合なら野球を)詳しく学びます。ルールの妙や投手と打者の駆け引き、試合展開によりシフトして変わっていく守備位置だったりをです。さらに野球好きの人の意見に耳を傾け「歴代の名監督秘話」とか「野球の歴史」だったり「引退した選手のその後の話」にいたるまで関心のフィールドを広げます。野球とそれを取り巻くバックグラウンドを詳しくを知ったうえで『野球なんて面白くない』と主張した場合、その言葉には力があります。信憑性と言ってもいいかもしれません。

 

何かとコミットしたいと思って起こしたアクションが、デタッチメント(関わりを絶つ)の役割しか果たさなくなってしまえば、タカさんはたちまち孤独になってしまうことでしょう。多様性が叫ばれるこの時代に異なる考えを共存させまた自分自身が存在していくためには異なる考えが存在していることを知りながら黙殺するのではなく、またヒステリックに糾弾することでもなく、異なる考えがあり自分のそれとは相容れないことを知り、それでも受容することに他ならないのだと僕は思います。猫が好きか嫌いかの単純な図式で線を引いてしまうと物事の奥行きを知ることができず2次元的な思考にはまり込み、戦うべき相手を見失ってしまいます。

 

僕たちが暮らす社会は善か悪かの二極構造ではありません。善的な一面を持つ悪やその逆、どちらにも属さないないものや局面によって善と悪が切り替わる場面もあるでしょう。残念ながら正しさは社会に出ると誰も教えてはくれず、もがきながら自分自身で手に入れていくものだと思います。

 

 

猫が嫌いで野良猫問題に対して腹を立てているのであれば、その怒りを猫そのものにぶつけるのではなく野良猫問題が解決に至っていない理由や背景に目を向けるべきなのではないかとも思います。タカさんの戦うべき相手はきっとそこにあるはずです。猫を取り巻く諸問題に目を向けた結果「おまえがチャラチャラしたブログ書いてるのがすべて悪いんだよ」と思ったのであればそのときはどうぞまたお越しください。相手になります。

 

 

戦う相手

特定の個人に対して見解を書き連ねるのはフェアじゃないので、僕の活動理念を書いておきます。自らの理念と照らし合わせる判断材料としてお読みください。

 

まず僕がそのつたない文章を通して戦うべき相手として据えているものは『モラルの低下』です。猫ブームの陰で依然として猫を物として見ている多くの人に対して警鐘を鳴らすことです。ペットショップは(程度の差こそあれ)猫を商品として扱うわけですし、ブリーダーは(程度の差こそあれ)商品として猫を生産しますし、それを商品として購入する人の中のごく一部には商品価値がなくなるといとも簡単にゴミ出しをするのと同じような気持ちで猫を遺棄します。

 

弱い物をないがしろにしてしか成立しない社会構造ならそんなものは壊れてしまえばいいとすら思っています。そういった理由から個人的にはペット産業には懐疑的です。もちろん猫と暮らしている身としては完全にペット産業と関わりを排除することは難しいですが、よくない話を聞いたショップには投資をしないように心がけています。

 

さらに『旧・猫の飼い方』を実践し、町ぐるみで猫を飼う(屋外に出す※、不妊・去勢手術をしない、野良猫であっても腹を空かせていれば餌を与える)人間を目撃した場合は可能な限り注意、指導するスタンスを持っています。野良猫問題を助長するやみくもな餌やりは行いません。

 

※リードをつけて管理下での散歩は対象外

 

地域猫活動を推進します。ボランティア講習を受講し地域猫ボランティアとして活動する許可を得ています。野良猫を発見すれば縄張りや子猫の有無を把握するために調査をし、TNR(捕獲し不妊・去勢手術を施し元の場所に返すの意味)ないしは保護に向けて行動します。個人での活動は限界があるので難しい場合は保護団体へ報告を怠りません。

 

 

野良猫と地域猫の違いとは

頻繁に使用している言葉なので念のため解説させていただきます。

 

野良猫とは:屋外に暮らし特定の飼い主を持たない猫

 

地域猫とは:屋外に暮らし管理者により管理されている猫

 

この【管理】のなかには『不妊・去勢手術の施術』が必須条件として含まれています。施術の印に耳先をカットすることで「さくら猫」と呼ばれ、判別することが可能になっています。おおまかなくくりでいえばさくら猫なら地域猫に、さくら猫でなければ野良猫といえるでしょう。(脱走した猫や遺棄された猫は除く)

 

 

野良猫問題

野良猫は豊富な栄養を得ればたちまち繁殖します。民家の軒下や庭の茂みなどの安全な場所で出産をします。一回の出産で4~5匹、年に2~4回のペースで出産することができ、また発情した雌の1回の交尾での妊娠確率は100%であり、複数回の交尾で複数の雄の子供を身ごもることも可能です。さらに雌の猫は生後6ヶ月齢程度から妊娠が可能です。

 

それを助長するのが餌やりで「かわいそうだから」とか「すり寄ってきてかわいいから」という理由で野良猫を増やす結果になっています。

 

増えすぎた野良猫を漏れのないように捕獲し不妊・去勢手術を施すことはとても難しく、残った一部の野良猫が繁殖しては人間に被害を及ぼす状況の繰り返しになるケースが多く報告されています。これが野良猫問題の一端です。

 

 

野良猫問題が解決しない原因

・問題解決意識が低く餌を与える人間が後を絶たない

・保護団体、個人ボランティアの不足

・ペット産業の販売促進(猫の終生飼育に責任を取れない人でも購入できる環境)

・飼い主のモラル低下(遺棄する一部の人に限定)

・野良猫問題の周知不足(啓蒙の不備)

・観光資源として猫を利用する一部地域の存在

 

すべて人間に非があり猫そのものが原因でないことがおわかりいただけると思います。

 

 

反省

今まで『猫が好きではない人』に向けた働きかけを後回しにして、『終生飼育に責任を取れない人』に主眼を置いて記事作成を行ってきました。今回タカさんのコメントでそのことに気づかされ、そのことについては反省しています。

 

 これからもっと見識と経験を積み重ねて不幸な猫を産み出す環境の改善に向けてアプローチを続けていこうと意を新たにしました。そのことに関して気づきを与えてくれたタカさんに感謝の気持ちしかありません。

 

 

 

野良猫に餌を与えている方へ

野良猫に餌やりをしている方へのお願いをこの場を借りて書かせていただくことをご容赦ください。

 

野良猫に餌を与えてはいけないと主張していますが、目の前で飢えてやせ細っていく野良猫を放置すべきという意味ではありません。餌を与えることじたいが問題なのではなく【不妊・去勢手術】を施していない野良猫に餌を与えていることが問題なのです。

 

冬の寒さや夏の暑さ、交通事故の危険やカラスなどの天敵による自然淘汰、これらのリスクを眼前に控えて世に送り出されてくる子猫の不幸を案じてください。動物虐待についてここでは触れるつもりはありませんが、こんなに残酷な仕打ちがあるでしょうか。まるで死ぬために産まれてくるように感じられるのは僕だけでしょうか。

 

餌を与えたいのであれば正しいプロセスを経て与え、猫を大いに愛してあげてください。

 

 

読者様へ向けて

個人の主張に基づいた文章に辟易とされた方もおられるかもしれません。しかしいつかは書かなければならない内容だったとも考えています。同意を求めもしなければ協調性を強要したりもしません。ただ多様な異なる考え方にふれて「ふん、そんな考え方もあるのか」くらいの気持ちで記憶の片隅にでもしまっていただければこの記事は成功だと言えるでしょう。

 

なぜここまでの熱量が自分にあるのか、ふと考えてみたところ答えは自分の故郷にあったことを発見しました。そのこともいつか記事にしてアップさせていただくことにして今回はここで筆を置くことにします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

『エドワード・ゴーリー 優雅な秘密展』記

休日を利用して『エドワード・ゴーリー 優雅な秘密展』に行ってきましたので紹介記事を書かせていただこうと思います。

 

目次

 

 

絵本作家・エドワード・ゴーリー

日本国内でも根強い人気を誇る絵本作家『エドワード・ゴーリー』とはいったい何者なのでしょうか。ということでウィキさんの出番です。

 

エドワード・ゴーリー(Edward Gorey, 1925年2月22日 - 2000年4月15日)は、アメリカ絵本作家。本名はエドワード・セントジョン・ゴーリー(Edward St.John Gorey)。

絵本という体裁でありながら、道徳や倫理観を冷徹に押しやったナンセンスな、あるいは残酷で不条理に満ちた世界観と、徹底して韻を踏んだ言語表現で醸し出される深い寓意性、そしてごく細い線で執拗に描かれたモノクロームの質感のイラストにおける高い芸術性が、「大人のための絵本」として世界各国で熱心な称賛と支持を受けている

また、幻想的な作風とアナグラムを用いたペンネームを幾つも使い分けて私家版を出版したことから、多くの熱狂的なコレクターを生み出している 

引用:Wikipediaより

 

練馬区立美術館

『エドワード・ゴーリー 優雅な秘密展』が開催されているのは東京都練馬区立美術館で、規模こそ大きくないもののひっそりとたたずむ雰囲気はわくわくと高揚した気持ちをもり立ててくれる好立地でした。

 

アクセスは池袋駅を始発に埼玉県へと至る【西武池袋線】の中村橋という、特急の止まらない駅で、手前の練馬駅から各駅停車で一駅の場所にあります。さらに駅からは徒歩1分で行ける場所なのでアクセスはとてもいいです。

 

エントランス前に広がる広場にはキリンや象のカラフルなモニュメントがならんでいて、休日ということもあってか親子連れが遊んでいて賑やかな雰囲気。

 

練馬区立美術館

 

 【詳細】
エドワード・ゴーリーの優雅な秘密
会期:2019年9月29日(日)~11月24日(日)
会場:練馬区立美術館
住所:東京都練馬区貫井1丁目36−16
休館日:月曜日 ※ただし、10月14日(月・祝)・11月4日(月・休)は開館、10月15日(火)・11月5日(火)は休館
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
観覧料:一般1,000円、高校・大学生および65~74歳800円、中学生以下および75歳以上無料(その他各種割引制度あり)
※一般以外の人(無料・割引対象者)は、年齢等の確認できるものを持参。

 

 

感想

どの作品を見てもその絵本作家としての突出したセンスに息をのむばかりでした。何がすごいかというと、個人的に感じたのは『求心力』だと思います。展示されている作品の1点1点ははがきサイズ程度のものが多く、とても小さいのですが見るものを魅了するオーラをまとっているように感じました。その実、作品が並んだ展示スペースはじっくり見て回る人により全然進まないほど…。

 

鬱々としたタッチの絵はどこかコミカルで風刺がきいており、出版社側が難色を示し児童書として出版を望むゴーリーの希望は聞き入れられなかったというエピソードもあるそうです。

 

絵のみならず作品の一部としてフォントデザインも手がけていてそのクォリティの高さにただ脱帽するばかりでした。

 

 

 

うろんな客

エントランスに設置されたフォトスペースでは人気作『うろんな客』の一幕が再現されておりファンにはたまらない体験となりました。原題の『The Doubtful Guest』のDoubtfulは『疑わしい、不確か』という意味で、『うろん』という耳になじみのない言葉を選んだ柴田元幸氏の名訳でも知られる作品です。

 

絵本「うろんな客」の表紙

出典:絵本「うろんな客」の内容紹介 - エドワード・ゴーリー|ウェブの絵本屋ピクトブック

 

「壺の上にぞ誰か立つ」という一説でもうしびれてしまいました。

 

 

写真

場内はもちろん撮影禁止になっているため、撮影はエントランスまでなのであしからず。

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落ち着いた雰囲気の広場にたたずむ看板。

 

 

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館内の各所に設置されたパネル。

 

 

 

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うろんな客と著者。原作をなぞらえポージングするもぎこちない。

 

猫を愛した作家エドワード・ゴーリー

ゴーリーはその生涯を通じて「猫ほど素晴らしいものはない」と発言するほど、猫を愛した作家でもありました。

 

日本では劇団四季が演じて超ロングランヒットを記録している『CATS』をご存じの方は多いと思います。TSエリオットの原作に挿絵を描いたのは他でもないエドワード・ゴーリーだったという猫好きが垣間見られるエピソードもあります。

 

キャッツ

出典:河出書房新社より

 

おわりに

絵心も美術に対する慧眼も持ち合わせていない僕にとっても、十分に刺激的で魅力的な体験となりました。奥さんに誘われるがままついて行ったようなものですが、同じシチュエーションで連れてこられたと推察される世のお父様方も一様に楽しんでおられる様子でした。

 

 

『芸術の秋』の1ページを飾るにふさわしい、とても素敵な体験だったので多くの方に共有していただきたく記事にしました。

最後までおつきあいいただきありがとうございました。

 

 

 

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猫写真【行き倒れ猫】

当ブログを始めて以来、忙しい月末には更新が滞り低浮上になることもしばしばです。

 

しかし、今回は最も長い10日間も更新をサボってしまいました。読者登録させていただいているブログを訪問することもままならず、ちょっとした『ブログ欠乏症』になりかけているところでした。

 

忙しさもなんとか山場を越えたので張り切ってブログを書いていくことにしましょう。

 

 

今回は【行き倒れ猫】写真のご紹介です。

 

※行き倒れという言葉によくないイメージを持たれる方もおられるかもしれませんが、ねこ好きの親バカだと思ってお付き合いいただけると幸いです。

 

もくじ

 

 

行き倒れ猫とは

 三省堂の大辞林第3版によると:行き倒れ(ゆきだおれ)とは病気や飢え、寒さなどのために路上に倒れること。とあります。

 

死を想起させ、よくない言葉なのでマジカル脳内フィルターをかけて変換します。

 

行き倒れとはその場に倒れ込むこと。とマイルドにしておきましょう。

 

 

#行き倒れ猫

TWITTERやインスタグラムを利用している方にはなじみの深い「#」ハッシュタグ。説明するのも今さら感があるのでしませんが、一部のコアファンによって密かに盛り上がりを見せているのが『#行き倒れ猫』なのです。

 

#行き倒れ猫 hashtag on Instagram • Photos and Videos

#行き倒れ猫 hashtag on Twitter

 

 

 我が家の行き倒れ猫写真

それでは参りましょう。我が家の行き倒れ猫写真のご紹介です。

 

 

①よもぎの行き倒れその1

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もう一歩も歩けないにゃ

 

 

 

②よもぎときなこの行き倒れ

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飼い主のものは俺のものと言わんばかりの大胆さ

 

 

③よもぎときなこの共倒れ

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眠いよパトラッシュとでも言いたげ

 

 

④だいずのTHE行き倒れ

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後ろ足がかわいい

 

 

 

何番の画像がお気に召したでしょうか。

そろいもそろってベッドの上で行き倒れている写真ばかりですね。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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よもぎの食物アレルギー 報告記事

ご訪問いただきありがとうございます。

 

前回の記事でふれた【よもぎの食物アレルギー】について、一応の着地点が見えたのでご報告させていただきたいと思います。

 

結果からお知らせすると、よもぎは前にも増して元気いっぱいで、毎日「ぷるわー」という謎のかけ声とともに室内を走ったりしています。アレルギー検査(IGE)のことやセカンドオピニオンの重要性についてもふれていますので、読んでくれた方の参考になる部分があれば嬉しく思います。

 

 

もくじ

 ※前半部分は体験談を綴っています。興味のない方は項目をクリックすると飛ばして読むことができます。

 

よもぎの食物アレルギー

きっかけ

お外をさまよっていた野良猫【だいず】を保護して、うちの子としてともに暮らす決心をしたのが2019年5月末のことでした。そこからしばらくの間はノミやダニなど寄生虫の駆虫であったり、家慣れ、人慣れに先住猫慣れをする期間がありました。

 

これらの課題を辛抱強くクリアしてくれた【だいず】は晴れて我が家の一員に。飼い主が眠る夜間を除いては3匹の猫が同じ空間を共有できるまでになりました。別の場所で与えていたご飯も3匹一緒に食べることができるようになりました。

 

ここでよもぎにちょっとした異変が起こります。2019年8月初旬のことでした。お外での過酷な生活環境によりガリガリに痩せていた【だいず】には、みんなが普段食べているドライフードのほかに栄養たっぷりの『ウェットフード』が与えられていることを【よもぎは知ったのでした。

 

ごはんを残せば僕にもウェットフードくれるかな」と思わせてしまったのか、【よもぎ】はご飯を残すようになっていきました。はじめ数粒のドライフードを残すだけだったのが日を追う毎に残す量が増えていきました。

 

日々のカロリーコントロールを重要視していた妻によって、1グラム単位で決められた量のフードを与えていたにもかかわらず、代謝がよく運動量の多いスリムな体型のよもぎです。「どんどん痩せていき内臓に負担をかけてしまう」と少量ずつ日々のご飯にウェットフードを入れることにしたのです。普段は与えないようなおやつをちぎって投入することもありました。おかげで食欲は増し、体重を維持することができていました。

 

 

よくアレルギーが症状として現れるまでをたとえて『コップがあふれる』という言い方をします。アレルゲン物質がコップに貯まっていき身体が耐えられる量のキャパシティを越えると症状がでるという意味です。

 

今にして思うとこのウェットフードや普段与えないおやつによもぎのアレルゲン物質が入っていたものと思われます。

 

一時的に増えていた食欲がだんだん落ちていき、ウェットフードにもおやつにも興味をなくしていきました。それと平行して嘔吐の回数が増えてしまいました。かゆがって後ろ足で耳を掻くしぐさもし始め、血が出てしまうこともありました。

 

慎重に観察を続けてはいましたが、ここではじめて動物病院に連れて行くことを決心しました。

 

 

悪化

行きつけにしていた動物病院はだいずを保護したときに初期検査でお世話になって以降通っていました。知識も経験もあるように見受けられ、安心していました。

 

しかし、残念ながら結果から言うとこの動物病院に連れて行ったことでよもぎの体調は悪化することになってしまいました。以前の記事で書きましたのでこちらでは詳しい説明は割愛させていただきます。前回の記事を貼り付けておきますので経緯が気になる方はお読みいただければと思います。

 

 

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悪化した要因のひとつは獣医師がアレルギーを疑うことなく、『環境や季節の変化によるものだろう』と断定し、皮下輸液を大量に注入し続けたことでした。

 

様子を見て調子が悪いようなら明日また連れてきて下さい」と言われるばかりで、原因究明する意思が希薄なようでした。血液検査をしてもらい、すい炎などの病気でないことが分かったことだけが救いでしたが、嘔吐に加えひどい下痢が治まることはなく食欲もいっそう落ちた様に感じたため、別の動物病院で受診してみようということになったのです。もちろんセカンドオピニオンとして

 

 

動物病院の変更

よもぎが元気をなくしていたこともあり、動物病院に対する疑いの目を持っていたため慎重にかつ早急に動物病院探しがはじまりました。

 

よさそうな動物病院があれば必ずホームページを見て、とくに活動の方針の部分は熟読するようにしました。さいわいさほど遠くない場所にその動物病院はありました。

 

はじめに行った動物病院が「飼い主ファースト」を掲げていたのとは対照的に「ペットファースト」の理念を真摯に語る院長に好感を持つことができる動物病院でした。

 

早速予約を取り受診をしに行き、病院を移ってきた経緯を伝えると院長である獣医師は首をかしげ、第一声に「アレルギーの可能性についてそちらの獣医師から言及はなかったのですか?」とおっしゃるではありませんか。

 

その瞬間の【雲が晴れ陽光が差し込む】ような感覚は忘れられません。

 

エコー検査で胃腸の様子を診察し、腸の腫れを容易く見つけてアレルギーの可能性が高いことを丁寧な口調で知らせてくれました。セカンドオピニオンであったものがファーストオピニオンに、あるいは『行きつけの動物病院が替わった瞬間でもあります。

 

診察から快方までの時系列は以下のようになります。

抗炎症剤下痢止め薬(吐き止めを兼ねる)を処方

・アレルギー症状を抑え自力での食事、排泄のサイクルを取り戻す(疑わしい食物排除)→食事量増加に成功

・1週間後、再度受診し腸の腫れを確認萎縮していた

投薬を減らしさらに1週間、食事量の推移を観察、継続して不安な食物排除

・体力がついてきたので、投薬ストップ抗炎症剤の成分を身体から抜く

抗炎症剤が抜けたら血液検査(IGE)

 

 

検査結果

IGEの検査結果が出るまで1週間を要しましたが、投薬をストップしてもよもぎの体調は良好だったのでさほど気になることはありませんでした。

 

そして驚くことにIGEと呼ばれるアレルギー検出検査では反応を起こす食物の特定はできず、全項目にわたりオール0だったのです。ほっと胸をなで下ろすのもつかの間「ではいったい何のアレルギーだったんだろう」と疑問がわきました。

 

電話口でのそんな不安を察したかのように獣医師は続けました。「IGEで特定できなかった時のために、限りなくアレルゲン物質が排除されているフードを与える方法もあり、処方することができます」とのこと。

 

値段の高いフードを処方してもらわなくてはならないのかなと不安がよぎると、それすら察したように「ただ飼い主さんの方で疑わしい食物を抜いたことが快方の大きな要因だと思うので、いまの食事を継続して様子を見るのでもいいと考えています」と付け加えて下さいました。

 

「なにより市販のフードより美味しくなくて食べない猫もいるので」とペットファーストな意見も情報として落とし込んでくれる凄腕の獣医師でした。

  

そして無事に体調を回復することに成功した【よもぎ】でした。以上でよもぎのアレルギー体験談を終わります。

 

 

奥さんは猫に与えたフードの種類から量、おやつに至るまで記録をとる『メモ魔』です。このメモが今回非常に役に立ったことも付け加えておきます。

 

IGE検査項目一覧

測定アレルゲン一覧

節足動物
  • ヤケヒョウヒダニ
  • コナヒョウヒダニ
  • アシブトコナダニ
  • ノミ
カビ
  • アスペルギルス
  • アルテリナリア
  • クラドスポリウム
  • ペニシリウム
樹木
  • ニホンスギ
  • シラカンバ
  • ハンノキ

参照元:動物アレルギー検査株式会社

キク科植物
  • ヨモギ
  • オオブタクサ
  • アキノキリンソウ
  • タンポポ
  • フランスギク
イネ科植物
  • カモガヤ
  • ハルガヤ
  • オオアワガエリ
  • ホソムギ
  • ギョウギシバ
肉系
  • 鶏肉
  • 卵白
  • 卵黄
  • 七面鳥
  • アヒル
  • 牛肉
  • 牛乳
  • 羊肉
  • 豚肉
魚系
  • カツオ
  • マグロ
  • サケ
  • タラ
植物系
  • 小麦
  • トウモロコシ
  • 大豆
  • ジャガイモ

 

 かなり広範囲にわたって調べることができる検査です。名前が【よもぎ】なだけにヨモギアレルギーでなくてよかったです。自分の名前になった植物ですからね。

 

 

 

セカンドオピニオンの重要性

今回は動物病院そのものを替えるという結果になりましたが、行きつけにしている所は替えずにセカンドオピニオンを求めて第2の動物病院をつくっておくという考え方もとても重要です。

 

獣医師と一口に言っても、どこで獣医学を学んだか、どんな動物病院でキャリアを積んだかなどによって治療の方向性や技術、知識量に違いがあるものです。加えて言うと獣医師も1人の人間ですから考え方や主義、主張に違いがあるのは仕方のないことでもあります。

 

 

例えば難病を抱え苦しんでいる猫に対して、『1日でも長く生きられる延命治療』をするのか『苦しまなくていいように週末治療に向かう』のか、または『夢のような先端医療で根治を目指す』のかは動物病院にゆだねられることも多いなか、決断をするのは飼い主】です。何が猫のためになるのか、飼い主としてどうすべきかを考えたときにどうしても不安はつきものです。

 

複数の動物病院を受診してはいけない決まりなどありませんし、飼い主が抱える不安を第二の主治医の意見を聞くことで軽減することができるのだとしたら、これ活用しない手はありません。

 

そうして前向きな気持ちでペットに向き合ったときに、はじめて見えてくる答えもあるかもしれないからです。ときに真逆のことを言われて混乱することもあるかもしれませんが、不安を抱えたまま治療を続けるよりも飼い主として納得することができるか否かがとても重要だと考えています。

 

 

おわりに

恥ずかしながら飼い猫のことを分かったつもりで配慮に欠けてしまったのが、よもぎの体調不良の一番の原因だと反省しているところです。野良猫を保護した以上は1日でも1時間でも1分でも幸せな時間を過ごして欲しい、寂しい思いをさせたくないと神経質になっていたことが先住猫のストレスになってしまったこともまた事実です。

 

我が家の猫にはこうしてあげたい、こうあってほしい、こうあるべきだと漠然と抱いていたイメージを顧みる教訓を与えてもらった気がしています。

 

もしも愛猫が病気を抱えていて治療方針に不安があったり、ご家族内で意見がぶつかってしまう飼い主様の悩みをほんの少しでも軽減できたとしたら記事を執筆した甲斐があるというものです。

 

 

おまけ

元気になったよもぎです。

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ハンモックからお母ちゃんの顔をちょいちょい

 

 

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得意のいたずらも復活!


 

かなり長い文章で拙いところも多々あったことと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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地域猫パトロールを終えて

台風19号の接近に伴ういまだかつてない風雨により、大変な週末を過ごされた方が多いかと思います。

 

かく言う僕も住まいが多摩川沿いなので国土交通省設置の定点カメラの画像から目を離すことができず、眠れぬ夜を過ごした1人です。

 

簡単にご報告します。住まいの数㎞下降で多摩川が氾濫したもののここまで水が届くことはなく、本当に幸いなことに浸水被害は免れました。避難指示が出ていた区域ではありますが、住まいが2階にあること、3匹の猫を連れての非難にはリスクが伴うことなどから非難はせず自宅で様子を見ることにしました。窓ガラスが割れてしまった際の飛散防止にテープ、新聞で窓を補強し、数日生活ができる分の食料を備蓄し台風が過ぎ去るのを祈るような気持ちで待っていました。停電、断水の被害なし。冠水もなく台風が過ぎた後、ありがたいことにすぐに日常に復することができました。3匹の猫もそわそわした様子こそありましたが元気いっぱいです。この場を借りてご報告させていただきます。

 

 

台風が去った後は、微力ながらお世話をお手伝いさせていただいている地域猫たちの生存確認のためのパトロールをしました。このブログを見て下さっている方の中には地域猫や野良猫に虐待をするような人はいないとは思いますが、場所や顔が特定されると困るので写真は載せられないことをご了承下さい。

 

 

地域猫のみんなは無事だったものの、近づいていくとひどくお腹がすいているらしく、「みーみー」と駆け寄ってはご飯をせがみます。持参したご飯をあげるとガツガツと食い付き、すぐに食べ終わると「まだ足りない!」といった様子で鳴きます。結局みんな2食分程度に相当する量のご飯をぺろりと平らげると、満足げに顔を洗ったり、毛繕いしたりを始めるのでした。仕方のないことかもしれませんが、嵐の夜には餌やりボランティアさんは誰も来られなかったようでした。

 

 

多摩川流域の河川敷は飼い猫が遺棄されるケースが多いのだそうです。なんとか食い扶持を見つけて生き延び、子供を産み河川敷に野良猫として暮らしている猫も多いと聞きます。残念ながら多摩川沿いの地域猫、野良猫の分布を把握できていないので今回の台風を受け、彼らが無事であったのかは知るよしもありません。

 

 

増水し芝生であった部分まで水につかった映像を見て、そんな野良猫たちが住処を追われてしまわないだろうかと考えると胸が痛みます。

 

翌日、河川を見に行ってみると水こそ引いているものの芝生であった場所は水をたっぷり含んだ粘度の高い泥で覆われていました。歩くことすらままならないその場所には打ち上げられた魚の死骸が早くも腐敗し始めていました。上流から運ばれたペットボトルなどの大量のゴミや木の枝がたい積し、猫が身を隠すのに適していた背の高い草たちは軒並みなぎ倒されています。本来あってはならないことですが、猫が自活するのに必要なネズミや鳥などの獲物もしばらくは寄りつかないであろうことは明白です。

 

 

「この大変なときに猫のことかよ」と思う方もいるかもしれません。大きな被害に苦しんでおられる方がたくさんいることは承知しています。一日も早く日常が戻ってくることをお祈り申し上げます。ただ、僕たちの社会が棚上げにしている【野良猫、地域猫問題】にとっても台風19号が与えた影響が少なからずあることを知ってもらいたくて、あえて記事にさせていただきました。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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意外と知らない猫への皮下輸液のこと

猫は消化器系の病気にかかりやすい動物だといわれています。

 

その寿命は長くても20年といわれており、野良猫や地域猫など劣悪な屋外の環境で生活している猫は3年~5年しか生きられず10年生きたら奇跡だと主張する獣医師もいるそうです。

 

 

 

 

猫がかかりやすい病気のなかには【腎不全】のように初期症状がなく、判断が難しい病気もあります。猫の死因の多くがこの腎不全によるものです。

 

 

異変を感じて検査をしてみると、その時にはすでに腎臓の機能がほとんど失われているというケースも多いと聞きます。

 

 

今回は腎不全のこと、腎不全の治療に広く使われている【皮下輸液】について猫の飼い主に知っておいていただきたいこと、いちど立ち止まって考えて欲しいことを記事にしました。

 

 

 

もくじ

 

 

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腎不全の症状とは

 

血液中の老廃物をろ過して尿として排出する働きのある腎臓。その機能が失われることで体内に老廃物がたまり水分だけが排出される状態になり、やがては脱水症状尿毒症を引き起こしてしまいます。

 

 

 

身体の負担を減らす対症療法

 

驚くことに失った腎臓の機能をよみがえらせる治療は存在せず、対症療法により進行を防ぐことしかできないのが現状です。

 

 

腎臓にかかる負担を可能な限りおさえ、残った腎臓の機能をいかに温存していくかが目標になっていきます。

 

 

その治療のひとつに【皮下輸液】というものがあります。

 

 

 

意外と知らない【皮下輸液】

 

皮下輸液とは皮膚の下に輸液を一気に注入時間をかけて吸収していくという輸液の方法です。動物病院によっては皮下補液とも呼ばれます。

 

食事ができない猫には生命維持に必要な栄養素の摂取や投薬が可能となり、飲水量が少ない猫には水分補給に効果があります。 

 

だぶつきがある猫の皮膚にはその下に輸液を貯めておくことが可能なので、通常の方法で行う点滴と違い短時間で処置ができるのが特徴です。

 

 

長時間にわたる拘束が必要なくストレス軽減に効果的なことからこの皮下輸液の方法が広く普及しています。

 

 

注入後はというと、肩甲骨のあたりから注入した輸液により肩の部分の皮膚が大きくもりあがり、だんだんとお腹や脇のほうへと落ちていきます。

 

 

腎不全の猫は脱水症状になるリスクが高いため、頻繁にこの【皮下輸液】が必要となるわけですが、そのたびに動物病院に連れて行くとどうしても治療費がかさみます。そのため獣医師から指導を受ければ飼い主が自宅で輸液を行うケースもあるようです。(動物病院の方針により未対応のところもあるので注意)動画配信サイトを見てみると輸液のコツをレクチャーしているものまでありました。

 

 

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皮下輸液のリスク

 

実はこの皮下輸液、論理的な根拠がないままに経験に基づいて行われているのが現状なのです。複数の開業医を対象に行われたアンケート結果では【統一した見解がなく試行錯誤で行われていることが明白であったというのです。

 

 

皮下輸液を受けている猫の飼い主さんに対して、輸液を行う頻度や、体重や年齢による用量などのガイドラインを明確に提示してくれる動物病院は案外少ないのではないでしょうか。

 

 

また、何らかの理由で吸収しきれなかった輸液が原因で身体の一部が壊死してしまい最終的に命を落とすという悲しい事例もごくまれにあることから猫にとって全くリスクがないとはいえないのです。

 

 

 

それ以外にも‥

 

多尿

嘔吐

よだれが出る

食欲不振

 

これらのリスクがあり、SNSなどには皮下輸液による上記症状を訴えるケースは比較的多く見られます。

 

 

 

おや?と思ったら

 

動物病院を探すときにインターネットの口コミを参考にする人は多いと思います。

 

しかしながらいまや口コミはお金で買えるものという考え方もあります。

 

 

動物を利用したビジネスとして動物病院を運営しているような悪徳な病院も残念ながらゼロではありません。そんな悪徳な動物病院に愛するペットを連れて行くことのないよう、口コミを頭から信じず動物病院が掲げる理念や方針を熟読する必要があるといえます。

 

 

不自然に皮下輸液を進めてきたり、量や頻度に対する明確で倫理的な説明ができないような獣医師がつとめている動物病院であれば、たとえ口コミによる評価が高くても病院替えを検討した方がいいと思います。でなければ他の動物病院にセカンドオピニオンを求めることで見えてくることもあるでしょう。

 

 

 

 

体験談

 

腎不全などの病気ではなかったのですが、夏の暑さが本格的にやってきたと同時に飼い猫の1匹が体調をくずしてしまいました。よもぎという猫です。ことの顛末は着地点が見えてから記事にして報告しようと思います。結果から言うと幸いなことに元気になりました。

 

 

食事はほとんど口を付けず、少しだけ食べたフードも嘔吐してしまい激しい下痢も起こしました。

 

 

行きつけの動物病院は保護した猫の初期検査なども積極的に行う街の動物病院といった感じのところで、規模がそんなに大きくないわりに3名の獣医師さんが在籍しています。行き場のない野良猫を保護した際、お世話になって以来行きつけにしていました。

 

 

ベテランと思われる獣医師さん(副院長)によるとよもぎの体調不良は「ストレス環境の変化によるものではないか」ということでした。

 

食事ができず栄養が取れていないことに対する対症療法として皮下輸液が施されました。栄養を摂取して元気になれば食事をするようになるでしょうとの診断です。「そんなに簡単なことだろうか?」と思いながらも、獣医師さんの言うことを信じて皮下輸液という処置に応じました。

 

 

『様子を見てまた明日も連れてきて下さい』と言われ診察は終了。ポイントとなる言葉なので大きな字で表記します。

 

「帰宅後は食べられるものなら何でもいいのでとにかく食事をとるように心掛けてください」と、結構なお値段のするウェットフード缶を勧められ購入し(させられ)ました。

 

 

帰宅後はというと、よだれが多くではじめ嘔吐を繰り返したためとても食事どころではありません。ですが食事から栄養を摂取できなければ輸液に頼るしかなくなるため、強制給餌を試み口の中にペーストの食事を詰め込み無理矢理食べさせました。しかし強制給餌もむなしく全て嘔吐してしまいます。

 

 

同じことが3日連続で行われました。

 

 

 

食べられない皮下輸液下痢、嘔吐食べられないの繰り返しです。

(その間に血液検査の結果で腎不全やすい炎などの病気でないことが判明) 

 

 

3日目の皮下輸液の際には

「(胃腸が機能しておらず)消化ができていないから食事をしないと思うので、消化促進剤も輸液と一緒に注入しておきますね」とのこと。

  

 

(は??)

 

 

(胃液だけの嘔吐を繰り返してるのに消化ができてないって‥消化促進って何を消化するんだろう)

 

 

疑問をもちつつ「獣医師さんがそう言うならそうなんだろう」と従うことに。ここまでくると下痢すら出なくなり嘔吐と大量のおしっこのみになります。普段5秒くらいで終わるおしっこがいつまでも終わりません。

 

 

(このままではさすがにまずい、タイミング悪く明日は動物病院が休診の日だ)

 

 

 

しかし何度か大量のおしっこをするうちにいつもは輸液でだぶついていた脇の部分のたるみがなくなってきました。輸液の吸収と排出が終わったものとみられます。

 

 

ストレスを覚悟で強制給餌の準備をしているとお腹をすかせた様子ですり寄ってきます。量こそ少ないものの自力での食事に成功したのです。

 

 

そこからゆるやかに回復して、食事の量も増えてきてゆるいもののうんちも出るようになりました。動物病院から来院と皮下輸液を勧める電話がありましたが、「時間があったら来て下さい」くらいの言い方だったので行かないことに。

 

 

は??

 

 

時間がなかったら行かなくていいんだ?それってどゆこと?

 

 

 

不安に感じたポイント

 

輸液量の説明が初日しかなかった(200㎖)

・説明がセールストーク口調だった

・(猫と飼い主を想ってこそなのかもしれないけど)明日来て下さいと毎日言われる

輸液が排出されたと思われるタイミングで食事ができるようになった

 

 

初診時にはしっかりした(と思える)知識ときちんとした(と思える)説明があったので行きつけにしたのですが、今回のことで病院替えも検討しなくてはなりません。(あくまでも主観のため、皮下輸液そのものを非難しているわけではありません。それにより命をつなぐことができている猫がいることを承知の上で発言しています。)

  

 

 調べてみると‥

最後はその動物病院に対する疑いの目をもって見ていたので、使用している皮下輸液のパッケージに書いてある名前を調べてみました。

 

商品名は伏せますが、驚くことに人間用の輸液でした。広く流通している商品で使用している動物病院も多いようなのでそれ自体に問題はないのかもしれませんが、人間用の輸液を犬や猫に対して使用するくらい研究開発が進んでいないのだなと改めて痛感しました。

 

輸液の量についても調べました。『猫 輸液 ぐったり』で検索すると同様のケースが散見されました。いくつか読んでみると、体重に対して注入する量が変わるようですが20㎖~100㎖程度の輸液を受けた事例が多く、一般的であるように思われます。

 

症状の詳細が分からない所見の猫に対して200㎖を投与できる獣医師の神経を疑います。

 

 

おわりに

 

口がきけない愛猫のためには、われわれ飼い主がしっかりしなくてはならないことを痛感したエピソードでした。なにかの教訓になればと思い記事にさせていただきました。

 

 

 

補足:その後よもぎは別の動物病院に連れて行き、たった1度の輸液を受けることもなく元気になりました。顛末は別記事に書かせていただきますが「食物アレルギー」が原因でした。

 

 

長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。 

 

 

 

 

 

 

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ヴァイオレンスきなこ

僕は見ました。


きなこの内側に潜む【バイオレンス】を。

 

いや、英語表記をするとVIOLENCEなので【ヴァイオレンス】を。

 

 

※ちなみにここでいうヴァイオレンスとは暴力、もしくは暴力性のことである。決してアメリカのメタルバンドのことではないです。

 

 

 

では、早速見ていこう。

 

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かわいいモードでてへぺろ

 

 

 

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お母ちゃんなでてにゃ

 

 

 

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こんなところにだいずのお尻が

 

 

 

 

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て何ケツのにおいを嗅がしとんじゃぁ!

 

 

 

 

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くわっっっ!

 

 

 

どうでしょう。なかなかキレてます。

 




雰囲気で当てレコしてみましたが、これはきなこの『あくび』です。

 

今にも殴りかかりそうな右手の握り拳と、その剣幕を見ていたらそう言っているような気がしたのでした。

 

 

おしまい。

 

 

駄文にお付き合いいただきありがとうございました。きなこのかわいさに免じてご容赦願います。

 

 

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