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クロツバメの浮き雲ライフ

保護猫のこと、時々趣味を綴ります。

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意外と知らない猫への皮下輸液のこと

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猫は消化器系の病気にかかりやすい動物だといわれています。

 

その寿命は長くても20年といわれており、野良猫や地域猫など劣悪な屋外の環境で生活している猫は3年~5年しか生きられず10年生きたら奇跡だと主張する獣医師もいるそうです。

 

 

 

 

猫がかかりやすい病気のなかには【腎不全】のように初期症状がなく、判断が難しい病気もあります。猫の死因の多くがこの腎不全によるものです。

 

 

異変を感じて検査をしてみると、その時にはすでに腎臓の機能がほとんど失われているというケースも多いと聞きます。

 

 

今回は腎不全のこと、腎不全の治療に広く使われている【皮下輸液】について猫の飼い主に知っておいていただきたいこと、いちど立ち止まって考えて欲しいことを記事にしました。

 

 

 

もくじ

 

 

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腎不全の症状とは

 

血液中の老廃物をろ過して尿として排出する働きのある腎臓。その機能が失われることで体内に老廃物がたまり水分だけが排出される状態になり、やがては脱水症状尿毒症を引き起こしてしまいます。

 

 

 

身体の負担を減らす対症療法

 

驚くことに失った腎臓の機能をよみがえらせる治療は存在せず、対症療法により進行を防ぐことしかできないのが現状です。

 

 

腎臓にかかる負担を可能な限りおさえ、残った腎臓の機能をいかに温存していくかが目標になっていきます。

 

 

その治療のひとつに【皮下輸液】というものがあります。

 

 

 

意外と知らない【皮下輸液】

 

皮下輸液とは皮膚の下に輸液を一気に注入時間をかけて吸収していくという輸液の方法です。動物病院によっては皮下補液とも呼ばれます。

 

食事ができない猫には生命維持に必要な栄養素の摂取や投薬が可能となり、飲水量が少ない猫には水分補給に効果があります。 

 

だぶつきがある猫の皮膚にはその下に輸液を貯めておくことが可能なので、通常の方法で行う点滴と違い短時間で処置ができるのが特徴です。

 

 

長時間にわたる拘束が必要なくストレス軽減に効果的なことからこの皮下輸液の方法が広く普及しています。

 

 

注入後はというと、肩甲骨のあたりから注入した輸液により肩の部分の皮膚が大きくもりあがり、だんだんとお腹や脇のほうへと落ちていきます。

 

 

腎不全の猫は脱水症状になるリスクが高いため、頻繁にこの【皮下輸液】が必要となるわけですが、そのたびに動物病院に連れて行くとどうしても治療費がかさみます。そのため獣医師から指導を受ければ飼い主が自宅で輸液を行うケースもあるようです。(動物病院の方針により未対応のところもあるので注意)動画配信サイトを見てみると輸液のコツをレクチャーしているものまでありました。

 

 

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皮下輸液のリスク

 

実はこの皮下輸液、論理的な根拠がないままに経験に基づいて行われているのが現状なのです。複数の開業医を対象に行われたアンケート結果では【統一した見解がなく試行錯誤で行われていることが明白であったというのです。

 

 

皮下輸液を受けている猫の飼い主さんに対して、輸液を行う頻度や、体重や年齢による用量などのガイドラインを明確に提示してくれる動物病院は案外少ないのではないでしょうか。

 

 

また、何らかの理由で吸収しきれなかった輸液が原因で身体の一部が壊死してしまい最終的に命を落とすという悲しい事例もごくまれにあることから猫にとって全くリスクがないとはいえないのです。

 

 

 

それ以外にも‥

 

多尿

嘔吐

よだれが出る

食欲不振

 

これらのリスクがあり、SNSなどには皮下輸液による上記症状を訴えるケースは比較的多く見られます。

 

 

 

おや?と思ったら

 

動物病院を探すときにインターネットの口コミを参考にする人は多いと思います。

 

しかしながらいまや口コミはお金で買えるものという考え方もあります。

 

 

動物を利用したビジネスとして動物病院を運営しているような悪徳な病院も残念ながらゼロではありません。そんな悪徳な動物病院に愛するペットを連れて行くことのないよう、口コミを頭から信じず動物病院が掲げる理念や方針を熟読する必要があるといえます。

 

 

不自然に皮下輸液を進めてきたり、量や頻度に対する明確で倫理的な説明ができないような獣医師がつとめている動物病院であれば、たとえ口コミによる評価が高くても病院替えを検討した方がいいと思います。でなければ他の動物病院にセカンドオピニオンを求めることで見えてくることもあるでしょう。

 

 

 

 

体験談

 

腎不全などの病気ではなかったのですが、夏の暑さが本格的にやってきたと同時に飼い猫の1匹が体調をくずしてしまいました。よもぎという猫です。ことの顛末は着地点が見えてから記事にして報告しようと思います。結果から言うと幸いなことに元気になりました。

 

 

食事はほとんど口を付けず、少しだけ食べたフードも嘔吐してしまい激しい下痢も起こしました。

 

 

行きつけの動物病院は保護した猫の初期検査なども積極的に行う街の動物病院といった感じのところで、規模がそんなに大きくないわりに3名の獣医師さんが在籍しています。行き場のない野良猫を保護した際、お世話になって以来行きつけにしていました。

 

 

ベテランと思われる獣医師さん(副院長)によるとよもぎの体調不良は「ストレス環境の変化によるものではないか」ということでした。

 

食事ができず栄養が取れていないことに対する対症療法として皮下輸液が施されました。栄養を摂取して元気になれば食事をするようになるでしょうとの診断です。「そんなに簡単なことだろうか?」と思いながらも、獣医師さんの言うことを信じて皮下輸液という処置に応じました。

 

 

『様子を見てまた明日も連れてきて下さい』と言われ診察は終了。ポイントとなる言葉なので大きな字で表記します。

 

「帰宅後は食べられるものなら何でもいいのでとにかく食事をとるように心掛けてください」と、結構なお値段のするウェットフード缶を勧められ購入し(させられ)ました。

 

 

帰宅後はというと、よだれが多くではじめ嘔吐を繰り返したためとても食事どころではありません。ですが食事から栄養を摂取できなければ輸液に頼るしかなくなるため、強制給餌を試み口の中にペーストの食事を詰め込み無理矢理食べさせました。しかし強制給餌もむなしく全て嘔吐してしまいます。

 

 

同じことが3日連続で行われました。

 

 

 

食べられない皮下輸液下痢、嘔吐食べられないの繰り返しです。

(その間に血液検査の結果で腎不全やすい炎などの病気でないことが判明) 

 

 

3日目の皮下輸液の際には

「(胃腸が機能しておらず)消化ができていないから食事をしないと思うので、消化促進剤も輸液と一緒に注入しておきますね」とのこと。

  

 

(は??)

 

 

(胃液だけの嘔吐を繰り返してるのに消化ができてないって‥消化促進って何を消化するんだろう)

 

 

疑問をもちつつ「獣医師さんがそう言うならそうなんだろう」と従うことに。ここまでくると下痢すら出なくなり嘔吐と大量のおしっこのみになります。普段5秒くらいで終わるおしっこがいつまでも終わりません。

 

 

(このままではさすがにまずい、タイミング悪く明日は動物病院が休診の日だ)

 

 

 

しかし何度か大量のおしっこをするうちにいつもは輸液でだぶついていた脇の部分のたるみがなくなってきました。輸液の吸収と排出が終わったものとみられます。

 

 

ストレスを覚悟で強制給餌の準備をしているとお腹をすかせた様子ですり寄ってきます。量こそ少ないものの自力での食事に成功したのです。

 

 

そこからゆるやかに回復して、食事の量も増えてきてゆるいもののうんちも出るようになりました。動物病院から来院と皮下輸液を勧める電話がありましたが、「時間があったら来て下さい」くらいの言い方だったので行かないことに。

 

 

は??

 

 

時間がなかったら行かなくていいんだ?それってどゆこと?

 

 

 

不安に感じたポイント

 

輸液量の説明が初日しかなかった(200㎖)

・説明がセールストーク口調だった

・(猫と飼い主を想ってこそなのかもしれないけど)明日来て下さいと毎日言われる

輸液が排出されたと思われるタイミングで食事ができるようになった

 

 

初診時にはしっかりした(と思える)知識ときちんとした(と思える)説明があったので行きつけにしたのですが、今回のことで病院替えも検討しなくてはなりません。(あくまでも主観のため、皮下輸液そのものを非難しているわけではありません。それにより命をつなぐことができている猫がいることを承知の上で発言しています。)

  

 

 調べてみると‥

最後はその動物病院に対する疑いの目をもって見ていたので、使用している皮下輸液のパッケージに書いてある名前を調べてみました。

 

商品名は伏せますが、驚くことに人間用の輸液でした。広く流通している商品で使用している動物病院も多いようなのでそれ自体に問題はないのかもしれませんが、人間用の輸液を犬や猫に対して使用するくらい研究開発が進んでいないのだなと改めて痛感しました。

 

輸液の量についても調べました。『猫 輸液 ぐったり』で検索すると同様のケースが散見されました。いくつか読んでみると、体重に対して注入する量が変わるようですが20㎖~100㎖程度の輸液を受けた事例が多く、一般的であるように思われます。

 

症状の詳細が分からない所見の猫に対して200㎖を投与できる獣医師の神経を疑います。

 

 

おわりに

 

口がきけない愛猫のためには、われわれ飼い主がしっかりしなくてはならないことを痛感したエピソードでした。なにかの教訓になればと思い記事にさせていただきました。

 

 

 

補足:その後よもぎは別の動物病院に連れて行き、たった1度の輸液を受けることもなく元気になりました。顛末は別記事に書かせていただきますが「食物アレルギー」が原因でした。

 

 

長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。 

 

 

 

 

 

 

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