おさらい!猫が口にしてはいけない身近な食べ物
我が家にはとある保護猫団体さまとご縁があって譲り受けた、元保護猫の兄弟『きなこ』と『よもぎ』という2匹と、保護した野良猫の『だいず』が健やかに穏やかな日々を過ごしています。たまにはいたずらをして飼い主である僕と奥さんを怒らせることもありますが、愛してやまない大切な家族です。
彼らとの日常を書き記したいという思いからこのブログを始めましたが、その前に猫を飼育するにあたって、自分なりに調べたり勉強したりしたことを共有できればという想いから、猫の飼い方から習性、病気のことなどにも言及し、記事にしています。
今回のテーマは知っている方も多いことかと思いますが「猫が口にしてはいけない身近な食べ物」です。
人間の食べ物として身近にあるものであっても、誤って猫が口にすると猛毒になってしまう食べ物というのは身近なところに意外とたくさんあるのです。
そんな「身近な食べ物」のなかには体調に異変を起こしてしまったり、ひどい場合には命の危険につながってしまうような食べ物もあります。
すでに猫とともに暮らしておられる方にとっては「知ってて当然」かもしれませんが、おさらいの意味も込めて最後までおつきあいいただければと思います。また、これから猫と暮らしたいという方の参考になれば大変うれしく思います。
今回はあくまで人間の食べ物に限定して紹介していきます。
もくじ
※長大なリストになってしまい申し訳ありません。簡潔に記述していきますので既知の項目は読み飛ばしていただくことをおすすめします。
猫が口にしてはいけない食べ物
ネギ類
ネギ科の植物全て→たまねぎ、長ねぎ、にら、わけぎ、あさつき、らっきょう、にんにくなど。ネギ類に多く含まれているアリルプロピルジスフィドとよばれる成分が赤血球を減少させることで、溶血性貧血の主な原因となってしまいます。
主な症状
・赤褐色の尿が出る
・元気がなくなる
・嘔吐
・ふらつく
・黄疸
・下痢
たいていの場合は自然治癒することができますが、幼い猫や高齢の猫、体質やそのときの体調などによっては重度の貧血状態に陥ったり、重篤の場合には死の危険さえあるので注意が必要です。
また、このアリルプロピルジスフィドはたとえ加熱してもなくなることはないので、ネギ類を使用した(ハンバーグやコロッケなど)人間の食べ物を猫が口にすることのないように気をつけましょう。
生のエビ、イカ、タコ
生のエビ、イカ、タコに含まれているチアミナーゼとよばれる成分の酵素が体内のビタミンB1を分解し、急性ビタミンB1欠乏症を引き起こします。
主な症状
・食欲低下
・嘔吐
・ふらふらする
・大きな声で鳴き続ける
・【重症】痙攣する
・【重症】昏睡状態に陥る
ひどい場合は死に至るケースもあるので注意が必要です。イカやタコを好んで口にするという個体もおり、また必須栄養素のタウリンを多く含んでいるという長所もあります。このチアミナーゼは加熱すると効力を失うことから、猫に与える場合には必ず十分に加熱してあげる必要があります。
アワビ
アワビの内臓に多く含まれるピロフェオホルバイドaという光励起物質は光線過敏症の原因となります。
主な症状
・(被毛のない耳など)直射日光を浴びた部位の激しいかゆみ
・有害成分を摂取したことによる耳の組織の壊死
「猫がアワビを食べると耳が落ちる」といわれますが、あながちでたらめではなく科学的根拠のある言い伝えなのです。
青魚
「お魚くわえたどら猫~♪」と歌にもあるように生の魚を好んで食べるというイメージもある猫ですが、生の青魚を食べ過ぎてしまうと不飽和脂肪酸が蓄積することにより猫の脂肪が酸化をおこしイエローファットとも呼ばれる黄色脂肪症になってしまいます。
主な症状
・腹部や胸部の炎症
・ひどい場合は普通に歩けなくなることも
熱や痛みを伴うしこりができ、胸やお腹を触られるのを極端に嫌がったりします。この不飽和脂肪酸も少量であれば有益な成分であるため、バランスのよい食事(フード選び)を心がけるとよいでしょう。
練りもの
これもまた猫が好きなイメージのある練りものですが、保存料などの添加物が入っていることが多いため、与えるのは控えた方が無難だといえるでしょう。
魚や鶏の骨
猫の喉や小器官はとても細くできています。大きな骨は喉に詰まってしまい窒息のリスクがあるばかりでなく、消化器官に詰まってしまった場合は腸閉塞を引き起こす可能性もあります。猫に鶏肉や魚を与える場合は骨をきちんと取り除いてあげるのがベストです。
生の豚肉
豚肉はトキソプラズマ症という病気の感染源となるシストの保有率が他の肉類に比べ高いといわれています。シストを口にしてトキソプラズマ症に感染している猫の排泄物が何らかのかたちで人間の口に入った場合、人間にも感染する可能性があります。
主な症状
・幼猫や免疫機能が低下している猫の場合は死に至る場合もある
シストは熱に強くないため、加熱すれば死滅するので調理の際に気をつければ感染を防ぐことができます。
スパイス
刺激の強い食品は胃腸炎や内臓障害の原因になる可能性があります。
チョコレート
カカオマスに含まれるテオブロミンという物質は、心臓や中枢神経系を刺激します。
主な症状
・下痢
・嘔吐
・血圧上昇
・不整脈
・興奮
・痙攣
重症の場合は死に至る可能性もあるほどです。従って事項で紹介している「ココア」も原料がカカオマスで同じため飲ませてはいけない飲み物です。
人間の薬、サプリメント
人間用の薬を猫に与えるのは厳禁です。人間に比べ体重がはるかに軽い猫にとっては頭痛薬程度の市販の薬でさえ致死量になりかねません。猫がイタズラをして食べてしまわないように薬の保管方法に注意しましょう。
ドッグフード
犬と猫とでは必要とする栄養素がちがうため、犬用のフードでは補えない栄養成分があります。犬用のフードには猫に必要なタウリンもタンパク質も不足しているのです。
猫が飲んではいけない身近な飲み物
食べ物と同様に猫にとって有害な成分を含んでいる飲み物があります。これらの嗜好品は身近にあるため、猫が誤って口にしないように管理をしてあげる必要があるといえるでしょう。
コーヒー、お茶
コーヒーやお茶に含まれるカフェインには強い興奮作用があることから、猫が口にするべきものではありません。
アルコール
ビールやワインの匂いに反応して興味を示す猫もいるそうです。たとえほんのひと舐めであったとしても、人間と比べ身体の大きくない猫にとっては一升瓶を一気に飲み干すくらいの量になるかもしれません。アルコールを分解する肝臓も人と猫とではその働き方がちがいます。家庭でアルコールを飲む場合は注意しましょう。
ココア
チョコレートと同じくカカオマスを原料としているため、猫にとって有害となるテオブロミンという成分が含まれています。もし大量に摂取をしてしまった場合、死に至る可能性もあるので注意が必要です。
誤って摂取してしまった場合
もし中毒症状を引き起こしてしまった場合、残念ながら家庭でしてあげられる治療は存在しません。必ず動物病院に連れて行って診察を受けさせるようにしてください。
獣医師さんには①「なにを食べたのか」②「どのくらいの量を食べたのか」③「いつ食べたか」を伝えることで症状のレベルを推し量ることができ、スムーズな治療に役立ちます。
もしも猫が有害な食べ物を誤って口にしてしまったという場合に、飼い主が何よりも気をつけなければならないことは『自分ひとりの判断で対処しない』ことです。なかには「毒物を吐かせようとお腹を圧迫」したり「綿棒で舌や口の中を刺激」したりする飼い主もいるそうです。何とかしてあげたい気持ちは分かりますが、1秒でも早く動物病院に連れて行ってあげることが大切です。
おわりに
僕自身、こんなにも身近にある食品の数々が猫にとっては有害なものになり得ることにまず驚きました。
愛する猫のためですから、動物病院のお世話になることはできるだけ避けてあげたいものですよね。
昔に比べ猫の寿命が延びてきているとはいえ、健康で元気に過ごしてほしいと思うのはすべての飼い主さんにとって当てはまることだと思います。
もしこの記事が人と猫との幸せな暮らしの助けになったとしたらこんなに喜ばしいことはありません。
最後までお読みいただきありがとうございました。