招かれざる来訪者
仕事中、奥さんからラインがきました。
この日は遅くなる予定だったので困りごとが発生したのでなければいいなと思い見てみると
そこには招かれざる来訪者の影がはっきりと写った我が家の写真が送られてきているではありませんか。
※虫が嫌いな方は思い切りスクロールして下さい。
身の丈15㎝はあろうかというキングサイズのカマキリです。
梅雨が明けてから窓を開けて過ごすこともなくなり、締め切った部屋でエアコンをつけて生活しているのになぜ‥!?
第一発見者のだいずはワクワクして「動き回ってくれないかな‥そうすれば狩りをして遊べるのに」と言っているような表情でカマキリを見つめます。
窓を開けたタイミングで侵入したと考えられるのですが、この日は洗濯物を外に出すために窓を開けておらず(唯一窓を開ける機会です)、おそらく1日前に窓を開けたタイミングで侵入していたものとみられます。まる1日潜伏していたと思うとぞっとします。
奥さんはこんなとき完全に無力化します。
なんならこの【来訪者】にリビングルームを明け渡して、3匹の猫と奥さんとで猫部屋にこもる作戦すら頭に思い描いたそうです。
(ちょ、やめろ‥)
そんなことをしたらカマキリがリビングを好き放題に歩き回り、もしどこかに身を隠したとしたら帰宅した僕が捜索する作業が大変になるではないかと。探している最中に誤って踏んづけてしまったらと想像すると気が気ではありません。
(冷房で冷やされた部屋だからでしょうか)さいわいカマキリは元気に動き回ることをせず、ただカーテンで休んでいるそうです。だいずも狩りの興味をなくして他の猫へちょっかいをだすためにどこかに行きました。
そうして奥さんは僕の帰宅までの時間をできるだけカマキリから目を離さずに『傍観』することに決めたようでした。
とはいえそこから僕が帰宅するまで3時間以上もあります。
3時間以上です。
それまでカマキリがじっとしている保証はありません。
「カマキリなんて攻撃してくるわけじゃないんだから自分でなんとかならないもんかな」と内心思っていましたが違いました。
帰宅後、じっとしていてくれたカマキリとご対面。
まぁ強そうだこと。
鎌には毒が塗ってあるかのようなきらめきがあるし、
口からは硫酸をまき散らすのではないかとすら感じられます。
あまりの動揺に写真を撮ることなどできませんでした。
窓を開けての作戦のため猫たちには脱走しないよう猫部屋に入ってもらい、カマキリを逃がす作業に取りかかります。
カーテンレールにぶら下がる格好でじっとしていたものの、危険を察知したのかゆるやかに動き出すカマキリ。
(虫が嫌いなので)素手での捕獲はもってのほか。
ゴミ拾い用のトングを使えばよかったのでしょうが、つぶしてしまうとかわいそうなので割り箸を用意します。
割り箸を構えてみると‥
もしうまくつかめたとしてカマキリとの距離が近すぎる!
恐怖に震えながら割り箸のぎりぎり先端つかみ、ドラムのスティックのように構え
致命傷を与えないように、開け放たれた窓の外にたたき出すことに成功したのでした。洗濯物を取り込む際はバサバサしようねというお話でした。おしまい。
「おとうちゃん、虫苦手でやんの」
お付き合いいただきありがとうございました。